EM菌の実態を明らかにしたサイエンスライターと研究者が指摘した実験設計

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こんにちは。

悩める理系男子です。

みなさんはEM菌はご存知でしょうか。
名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんね。

EMとは、農地や水環境の改善に威力を発揮する光合成細菌や、発酵型の乳酸菌、酵母など、自然界にいる人にも環境にもやさしい善玉菌の集合体です。

EM研究機構

こちらに関しては、科学的な根拠が薄いのではないかと様々な反論記事がネット上に見受けられます。

研究者とサイエンスジャーナリストがツイッター上で議論

そんな中、最近、微生物の研究者の間でとあるつぶやきが話題になっています。
事の発端はこのつぶやきです。

さて、ここで何が議論の的となったのでしょうか。
片瀬さんは分子生物学的手法によりEM菌が多数の善玉菌で構成される微生物の集団というイメージを打ち砕いたと言っています。
私財を投げ打ってまで、行った事は大変素晴らしいことです(シーケンスは高いので…今回は約60万円と言っています…ヒエ~)。
一見すると片瀬さんの言っていることに問題があるようには思えません。

片瀬さんのブログでは、有効菌として宣伝されている紅色非硫黄細菌(光合成細菌)がEM1活性液から検出されなかったと述べています。( EM菌に含まれる微生物の解析−まとめ−より)

そのため、片瀬さんのこのツイートが支持される結果になったと言えます。

では、なぜ議論となったのでしょうか。

これに対する議論の火種になったつぶやきはこちら。

このブログの最初の片瀬さんのツイートで「日和見感染菌も混ざってるし」と述べています。
ただ、今回の研究手法ではどの菌の仲間(属レベルであって種レベルではない)がいるというのがわかっても、完全にどの菌がいるとは言えません。
また、その菌がそこにいると分かっても、実際にその菌にそのような機能があるかは分かりません。
なぜなら、”今回の研究方法では遺伝情報からどの菌がいるかはわかっても、そこにいる菌が実際にどのような働きをするかを調べる研究方法ではない”からです。

とても足揚げ取りのように聞こえるかもしれません。
ですが、科学というものを扱う以上、得られた結果から正確な情報を伝える必要があります。
そのため、Nakanoさんは植物と微生物を専門としてる科学者として、その方法では検出された菌が危険なものであるとは確実に言えませんよと指摘しているのです。

Nakanoさんはこちらに詳しく述べています。

ただ、科学的な正しさを伝える事と危険性を伝える事には埋められない溝あるとは思います。
なぜなら、この物質は○○細胞に攻撃し、○○を誘導して、結果的にガンを引き起こす可能性があります。
よりも、この物質はガンを引き起こしますのほうがインパクトが高く、多くの人々はそれを避けることになるでしょう。

今回の例では、片瀬さんはEM液が医学的根拠なしに健康法に使われていることを危惧してこのような発言をされています。

そのため、片瀬さんのEMの間違った使い方による被害者を救うという正義とNakanoさんの科学に携わる者として、科学的に正しい情報を伝える事が必要であるという正義が衝突した形であり、本来であれば悪い人はいないのに、双方が誰かにとっての悪者になるという悲劇が生まれてしまったのです。

シビルウォーですね、アイアンマンとキャプテンアメリカの。(わからない人はぜひ見てください→シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (吹替版)

終わりに

残念ながら、片瀬さんとNakanoさんの議論は平行線を辿り、ブロックという形で終わりを迎えました。

140文字という限られた中で情報を正確かつ大量に発信する事は大変困難です。

なぜなら、科学は百探して無くても千探して一あればあると言うしかなく、無いというにはそれが見つかる確率が無いと言えるくらい低いため、無いでしょうと証明します(自分で言っててこんがらがってきた)。
それを説明するには140文字では不可能ではないでしょうか。

また、逆にあるということを証明するには、十探しても二十探してもあるからあるよというのではなく、例えば不作為に調べたとしても無いという状態が極めて低いのでありますよと証明したりします。

残念ながら今回の一連の流れは、ある分野におけるサイエンスジャーナリストの地位を危うくさせるものになってしまったかもしれず、大変残念です。
片瀬さんがEMという業界のタブーのようなものに、現代科学を引っさげて検証しているだけに、今後、良い関係が築かれることを祈ります。

最後に、Nakanoさんのツイート引用して、今回の記事を終わります。

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