先日こんな相談・質問をいただきました。
「研究室の面々に対する劣等感がひどく、自分はこんなにも出来ないと思ってしまうと研究自体が嫌になります。でも分野は好きで、まだ研究を続けたいと思い来年度からDC1をいただきながらD進します。こんなことではまともな博士になれるとは思えず…周りを気にせずにいるために何を心がけるのが良いと思われますか…?」原文ママ
僕の回答はこちら↓
周りに対する劣等感ですが、私もあります。
そこに引目を感じて研究が嫌になってしまうとのことですが、本当に研究が嫌なのでしょうか。
研究が好きならば研究をして良いじゃないですか。
質問者様の研究に真摯に向き合い、誰よりも考えているのはあなたです。
そこに他人が割って入る余地はありません。
ぜひ自分の研究を愛し、楽しんでください。
学振に採用されたこと、誠におめでとうございます。
質問者様は自分でその器がないことを不安視しているのかもしれませんが、そんなことはありませんよ。
なぜなら、採用したのはあなたという人間を間近に見た人間ではなく、書類を通してあなたを見た人間です。
客観的に見られた結果、採用されたのではないですか?
ですから、研究者として活躍されている方が認めてくださったと思って胸を張ってください。
堂々と張れなくても少しばかりは誇りに思っても良いと思いますよ。
さて、まともな博士ってなんでしょうね。
先生の質問に対しても答えて何倍にでも返す。
雑務もこなす。後輩の面倒も見る。論文もバンバン出す。
まともな博士というハードルを作ってしまうとそれを越えられなかった時、どうしても自分を責めてしまいませんか?
僕は理想の博士像を持つことは諦めました。
自分の身を守るのは自分ですので、今は土日はラボに生きません。夜も基本的には残りません。
長く実験すればするほど成果も出ますが、僕はそれに耐えられる器じゃなかったのですね。
なので、自分の身を守りながらできることをとりあえずやる。
理想なんて語れるほどの能力はないので地道にやっています。
周りを気にしないというのは気にしてしまう人間にとって難しいですよね。
ですので、気にしてしまう自分がいるのは仕方ないと割り切りましょう。
その上で、今日はこれができたという達成ポイントを低めに設定して、自分を褒める癖を付けてみてはどうでしょうか。
僕はそれによって、少しだけ安心して生活ができています。
粗探しをしてはきりがないですからね。
僕も粗を探して自分を追い込んでしまう方なので偉くありません。
お互いに自分を労わりながら楽しく研究をしましょう。
追記
先日、70歳を越えても現役で研究をされている方とお話をしました。
その方も「必ず結果が出る実験をスケジュールに入れるのは大事。目に見える報酬はメンタルケアに必要ですよ。」とおっしゃっていました。
そのような形で自分を労る方法もあるようです。
コメント