「院転」:大学院より所属する大学とは異なる大学の大学院に入りなおすこと。
似た用語として学歴ロンダリング(出身大学よりも学力の高い大学の大学院に入りなおすこと)もある。
今回は院転・学歴ロンダリングについて書きたいと思います。
何を隠そう僕も三年次編入学というシステムを使って、大学に入り直した身になります。
三年次編入学もそうですが、大学院の試験は学部入学試験に比べるとコストが低いため、所属大学を変更するのは簡単です。
実際、三年次編入学の試験は2教科+TOEIC+面接でした。*
また、所属する大学院の試験も口述試験+TOEICでした。*
*もちろん大学によります
学部試験のセンター試験+個別試験に比べれば、科目数の少なさは一目瞭然ですね。
研究室に配属されて5年が経ち、これまで何人か外部の大学から来た学生を見てきました。
彼らに共通して苦労していたことがあったので、今回はそれについて書きたいと思います。
*あくまで僕が見てきた人を踏まえてなので、院転・学歴ロンダした全員に当てはまるとは限りません。
過去にはこんな記事を書いています。↓
大学院から入ってきた学生が苦労すること
院転して来た学生が苦労していたことを挙げていきたいと思います。
ゼミ発表
外部から来た人は僕が見ている限り、ほぼ全員が発表日までに発表資料が出来上がらないことがありました。
彼らが口々に言うのは、ここのゼミは「厳しい」「しっかりしている」「細かい」ということです。
うちのラボのゼミ発表では発表論文をしっかり理解しているか突っ込まれます。
なので、一人1時間くらいは発表と質疑応答に使います。
おそらく、うちで厳しいと思われるのはMaterials & Methodsをしっかりやるからかもしれません。
どの方法をとっているのか。どの材料を使っているのかを正確に理解した上で結果の掘り下げを求められます。
なので、もし今のゼミではそこまでやらず発表している人は苦労するかもしれません。
授業
所属する専攻には留学生が多いこともあり、授業は英語で行われることがあります。
これは内部進学組でも苦労する人はいますが、外部から来た人は確実に苦労していました。
また、留学生が参加していればプレゼンも英語でやる必要があり、英語で話すことに慣れていなければ大変苦労します。
タイミングが悪いと、一か月の間、毎週プレゼンがあるということもあり、それを全て英語でやるとなるとなかなか大変です。
新しい環境
これまで挙げた二つは学業に関してですが、見知らぬ土地で新しい生活を始めるのは大変なことです。
学部時代とは違って研究室に同時に入る同級生の数が少ないため、既に作られたコミュニティに入らなければいけません。
外部から来る学生が多い研究室では受け入れ環境は整っているかもしれませんが、そうでなければ馴染めるかどうかは本人次第と言えるでしょう。
サークルも同様に大学院から入る人があまりおらず、入るには勇気が必要です。
また、僕は南から関東にやってきましたが、冬の寒さは関東といえど堪えるものがあります。
僕が住んでいたところは最低気温が5度以下になることが滅多にないので、気候の移り変わりはきつかったです。
編入生向けに僕がどうやって友達を作ったのか記事を書いています。↓
院転を考えている人へのアドバイス
それでも外部の大学院を受験したい人は、特に英語を勉強することをお勧めします。
これから、僕が行ってきたことを紹介します。
大学が主催するイベントへの参加
大学内には様々なイベントがあり、比較的参加のハードルが低い交流カフェや海外の大学への留学などがあります。
交流カフェには日本人と話したい留学生も多く、お互いに英語や日本語を話す良い練習になります。
また、連携大学への留学は大学が主催していることもあり、日本人学生に対する支援がかなり手厚いので、自分で留学するよりも安心して望めます。
大学4年までの間に短期留学する機会があれば、ぜひ勇気を出して臨んでみましょう!
留学プログラムには英語試験のスコアで足切りをしていないものもあるので、点数が悪いからとあきらめる必要はありません。
また、お金の心配があるかもしれませんが、有名なものであればトビタテ!留学JAPANもありますし、大学独自の奨学金や貸与型奨学金もあるので狙っていきましょう。
トビタテ!留学JAPANのURLはこちら→https://tobitate.mext.go.jp/
僕は留学する機会はありませんでしたが、アジア諸国に数日間行き、自分の研究内容を発表するプログラムに数回参加しました。
もちろん、ある程度の負担はありましたが、大学が旅費を負担してくれていたので助かりました。
英語で話す機会を増やす
一部は一つ前の大学のイベントに参加することと被るので、省略します。
ここでは、特に研究面でどのように英語を使うようにしたかについてです。
4年生の頃は研究室に留学生がいたこともあり、毎週の進捗報告を英語で行う必要がありました。
始まって1か月半くらいは原稿を作って、それを読むだけでした。
ですが、報告することは毎回大きく変わるわけではないので、慣れてきて話せるようになりました。
また、当時の指導教員が博士課程に行くならゼミ発表も英語でやった方が良いと勧めてくれて、英語で発表する機会を持つことができました。
また、留学生の発表に質問することを自分で義務化することで、英語の発表を理解できるように集中し、さらに自分の言葉で話せるように努めました。
当時の英語力は低く、留学生に何を言っているか分からないと言われたこともありますが、おかげで英語で話す苦手意識がなくなりました。
研究室訪問(英語とは別で)
これは勉強しておくことではありませんが、志望研究室には事前訪問しておきましょう。
担当教員となる人と、入学後にしたいことを話すのは大変重要です。
面接でも聞かれるので、会って話をしましょう。
訪問時期ですが、年度末や年度始めはバタバタしている印象があるので避けた方が良いと思います。
また、先生だけでなく学生とも話して、研究室の雰囲気も掴みましょう。
今年は新型コロナウイルスの影響で直接訪問することはできないかもしれませんが、zoomなどのオンラインシステムで対応してくれると思います。
学生と話せないのが少し厳しいところですが…
まとめ
今回の内容をまとめます。
大学院入試は学部入試に比べるとコストが低いため、入ることは比較的簡単ですが、入ってから大変です。
・ゼミ発表の違い
・授業の違い
・環境の違い
・英語の使用頻度の増加
などなど、大変なことはたくさんあります。
進路変更を考えている人はまず英語を勉強しましょう!
学内の交流カフェや留学プログラムを利用することをオススメします。
また、志望研究室への事前訪問もお忘れなくしましょう。
今年度はzoomなどのオンラインシステムを使って話せるか聞いてみましょう。
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