D2の秋に研究テーマが変更になりました。「君は学位がほしいのか。この現象の歴史に足跡を残したいのか。」

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科学関係の記事

*タイトルを一部変更しました。(2020年11月19日23時36分)

指導教員にかけられた言葉です。

先週、研究テーマが変更となりました。

その理由は以下の通りです。
・直近でようやく出したデータがネガティブデータで、また先行研究をサポートしていなかった
・今後の計画について指導教員を納得させられなかった

指導教員には、「実験設計が悪いのか。テーマが漠然としすぎて着地点が見えない。」と言われてしまいました。

どうすれば良いか分からなくなった

博士課程に入ってから今のテーマになりました。

ですが、これまでの道のりはまさに進退両難。ほとんどデータらしいデータを得ることができませんでした。

研究室に出入り禁止になってから、ようやくデータらしいデータが出ました。

ですが、そのデータは先行研究と反するようなものでした。

その結果を考察しても、いまいち説得力に欠けるような考察しかできず、そもそもその因子が現象特異的に関わっているわけでもないので、本当に微妙なデータだったわけです。

そういうわけで、主査と副査にお願いし相談会を開かせてもらいました。

そして、今後の計画について話させてもらいましたが、「このままでは論文が出るイメージがない。」と言われてしまいました。

何を優先したいか。学位か、テーマか。

主査である教授の指導教員にこのままでは論文が出るイメージがないと言われた時、どうしたら良いのか分からず、黙り込んでしまいました。

すると、「君は学位がほしいのか。それともこの現象の歴史に足跡を残したいのか。どちらだ。」と、教授は言いました。

僕は正直に、「学位はほしいが、この現象も明らかにしたい。途中で投げ出しても良いのか分からない」と答えました。

教授はさらに、「じゃあ、このテーマに執着はあるのか。論文は出せなくてもこの現象の一端をあきらかにするだけで満足できるのか?」と聞きました。

僕は「執着はしていない。このテーマは楽しい。でも、学位の方が大事。」と答えると、教授は「テーマを変えましょう。」と言ったのでした。

僕の不安だったことは、3年という限られた時間で自分で考えたテーマを遂行できるようにならなくて良いのか?ということでした。

ですが、副査である助教の指導教員はこう言いました。

「正直、博士のテーマは誰も注目しない。大事なのは学位を取ること。そして、学位を取った後にアカデミアだろうが、企業だろうが、何をするかだ。どれだけやっても最終的に学位が取れなくては努力が無駄になる。それは教員も学生もアンハッピーだ。ここでテーマを変えても、これまで得た知識や技術は無駄にならない。」と。

教授も以下のように続けました。

「君はサイエンスコミュニケーターのようなことに興味があると思ってたけど。それなら、なおさら学位があった方が良いんじゃないのか?これから死に物狂いで学位を取ろう。卒業したら学術論文を出すことは厳しくなる。博士論文は卒業しても出せるから、せめて在籍しているうちに学術論文は出そう。」

そういった話し合いの末にテーマが変わることになったのでした、

新しいテーマに変わって

新しいテーマに変わり、さっそく取り組むことがありました。

まず、テーマの研究をなぜやらないといけないのか。それを理解するために論文を読み、報告することです。

今日はその報告をし、少しはボコられましたが及第点をもらいました。

来週も報告会があります。それ次第で実際に作業に移らせてもらえるようです。

前のテーマの時はこういうことはなかったので、少し驚いていますが頑張ります。

また、今回のテーマは教授の先生が予算を取ったテーマであり、ラボの教員間でもある程度知識が共有されています。

前回のテーマは現象自体はみんな知っているものの、研究している人は研究室内にいなかったため、研究を進めるのが難しかったです。新しい論文も世界的に20年近く出ていませんでした。

そのため、まだ取り組みやすいのではないかなと思います。

頑張って学位を、最低でも学術論文を出したいと思います。

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